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祖霊崇拝と地域 神道/儒教/ユダヤ教との比較

平成31年1月13日 日本文明・神社・神道
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神社には、祖霊を祀るものがある。ある一族の祖霊とされるもの。その地域を代表する開拓神などが、地域の祖霊として祀られる場合もある。祖霊を祀り、それらとの交流を行うことでそれに関わる一族や、その地域に関わる人々の繁栄と安定をもたらしている。

儒教は祖霊崇拝が中心である。その意味で神道における祖霊崇拝と、儒教における祖霊崇拝は類似点があるが、決定的に違うのは、儒教における祖霊祭祀は、それに関わる者(血縁者)以外が行ってはならないこと。関わりのない祖霊を祀ったり、崇拝してはいけない、ということであり、支那文明において家族を唯一絶対の単位と考えることはこのことと極めて密接な関係がある。

支那においては、国家、民族、地域よりも、血を分けた家族が絶対であり、本質的には、これ以上に重視する単位はないと言っても言い過ぎではないだろう。従って、国家運営においては、非常に強力な専制支配を行って国民を統治しなければまとまらないのである。

国家が揺らげば、即座に家族単位でそこから「離脱」するし、常にその前提でさまざまな準備を怠らないということも特徴であり、国家という単位を絶対視しない以上、土地や地域という単位の繋がりや結束も弱い。

華僑という流浪化した集団が世界に分散しても、自らの価値観を失わず、生活するのは、家族という単位で文明としての価値意識を温存するからに他ならない。

日本の祖霊崇拝は、必ずしも血を分けたものでなければ、これを祀り、交流してはいけないということはない。むしろその地域を代表する霊魂として、これを祀り、地域に関わる人々共通の祖霊として祭儀を行うことが通常である。

例えば、中臣氏や忌部氏の祖霊は、それが祀られている地域の人々共通の祖霊として、その地域全体を守護している。日本においては、祖霊と地霊は緊密に関わっていることが一般的である。

ユダヤ教の神は、ユダヤ民族を守護する神としてユダヤ民族に崇拝されているが、民族としての見方は時代を下るにつれて、「血をわけた一民族」から「それを信仰するものはユダヤ人とみなす」という方向へシフトしている。

創始は民族信仰であるが、厳密には、信仰するか、しないかで、「救われる」「救われない」を厳密に分ける信仰形態であると言えるだろう。

神道における祖霊崇拝は地域と密接に関わり、その地域に暮らす人々を包み込み、守護する存在であり、「信じる」「信じない」次元を超えて、地域を守る神々、霊魂としてお祀りされている。

「信じるか」「信じないか」が絶対条件ではなく、そこにそれが「祀られているかどうか」がまず問題となる。

(写真:忌部神社 wikiより

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